祝開館1周年!進化し続ける「おきなわ工芸の杜」に行ってきました♪

掲載日:
2023.04.13

沖縄には、島々の豊かな自然に育まれた確かな技術と長い歴史の中で人々に愛されてきた多くの工芸品が生きています。2022年4月1日に開館した「おきなわ工芸の杜」は、それらの工芸品の歴史と技術を伝え、未来へ繋いでいく場所として注目を集めています。

ここでは、この4月で一周年を迎えた「おきなわ工芸の杜」に行ってきましたのでその進化についてレポートしたいと思います(*´▽`*) 

INDEX

「おきなわ工芸の杜」ってどんなところ?

14~16世紀頃より、沖縄は、日本本土・中国さらに東アジア諸国との交易を通じて独特な伝統文化を形成してきました。中でも沖縄の工芸は、諸外国の様々な要素を取り入れた多彩さが特徴であり、琉球王朝時代から今日に至るまで、県内各地で受け継がれ発展しています。沖縄県においては国指定の伝統工芸品が16品目あり、全国3位の品目数となっています。(令和4年3月1日現在)

「おきなわ工芸の杜」は、沖縄の工芸産業の振興のため、人と技術・情報の交流拠点となる施設です。工芸品への理解を深め、未来へ繋げていくために様々な取り組みをおこなっています。

おきなわ工芸の杜

【開館時間】9:00~18:00
【休館日】月曜日 ※イベント等開催時変更あり
【駐車場】 約70台
(周辺)豊見城市公園約200台(うち大型12台)

住所
豊見城市字豊見城1114番地1(豊見城城址公園跡地内)
TEL
098-987-0467(受付時間: 9:00〜18:00 休館日及び年末年始を除く)

詳細ページを見る

国や県指定の伝統工芸に出会える「展示室」

2階の展示室では、沖縄県の「国指定伝統的工芸品」と「県指定伝統工芸製品」を一度に見ることができます。「国指定伝統的工芸品」とは、一定の項目をすべて満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品で、沖縄県においては16品目あり全国第3位の品目数となっています。(令和4年3月1日現在)

それぞれの工芸品コーナーにはタブレットが設置されており、各工芸品の歴史や製作技法について詳しく知ることができます。とてもわかりやすいですよ♪

原材料や製作技法によって生じる違いを見比べることが出来ます。それぞれの織物を実際触れてその違いを感じることも出来ます。全ての織物に触れることが出来るのは県内でもここだけだそうです!

染め・織り以外にも三線、壺屋焼、琉球漆器、木工、金細工など多様な沖縄の工芸品が勢ぞろいです。すごーい♪

ウージ染め

うらそえ織り

ウージ染めやうらそえ織りなど新しい工芸品も生まれています(*'▽') 
※ウージとは沖縄の方言でサトウキビのこと。

おきなわ工芸の杜 金城友美さん(令和5年3月31日時点)

この展示室は、沖縄県に点在する様々な工芸品を全て見て・学んで・触れる施設になっています。沖縄の工芸に初めて接する方でも、どの産地でどのような工芸品が作られているのかがわかりやすく解説・展示されています。ここですべての工芸品に触れて、もっと知りたい・もっと触れたいと思うような工芸品に出会えたら、その後産地に行きより詳しく探索するような沖縄旅行ができたら素敵だなと思います。那覇空港にも近いので是非、おきなわ工芸の杜にお越しください!

おきなわ工芸の杜 金城友美さん(令和5年3月31日時点)

伝統工芸の若き担い手たちが入居する「貸し工房」

おきなわ工芸の杜には、16の貸し工房があります。ここは作り手の起業支援スペースで、これからを担う若い作り手の支援や育成を行っています。マハエは、こちらに入居している5人の若き作り手の工房に突撃取材しました(*´▽`*)

紅型染め作家 崎山ハナエ

県内の高校で染織を専攻し、県外の大学時代はろう染め技法を使い、絵画的な表現で染色作品を制作。卒業後は地元沖縄に帰郷し、旧沖縄県工芸振興センターにて沖縄の伝統的な染色技法、紅型染めを学ぶ。センター修了後、二軒の工房にて短期的に見習い研修生としてさらに学んだ後、独立しこちらの貸し工房に入居されました。

作風は淡いモダンな紅型で、コンセプトはニライカナイ(楽園)をテーマにした世界観です♪
県内外の方々に紅型を身近に感じていただくために、布に染めた紅型をプリントして日常使い出来るマスキングテープやハンカチにしたり、インテリアパネルにして販売しています!^^ 

沖縄の紅型作家は、デザインー型彫りー染めー蒸しー水元ー仕上げと全ての工程を1工房で行う決まりがあります。取材当日は、実際に型掘りをされていました♪

紅型染め作家 崎山ハナエ

【住所】豊見城市豊見城1114-1 A-03
【休み】毎週月曜日
【営業時間】9:00~18:00

公式Instagram

OutWood

WEB関係のお仕事をされていたそうですが、レジン(エポキシ樹脂)を使ったテーブルに魅せられて、友人と一緒に製造・販売する会社を3年前に立ち上げました!^^

レジン(エポキシ樹脂)とは簡単に言うと強力な接着剤です。2種類の液を調合して型枠に流し込み接着させるそうです。少しずつ流し込み、乾かせて流し込みの繰り返しで、大きいものだと製作日数に2か月くらいかかるものもあるそうです。接着剤と聞いたので強いにおいを連想しますが匂いは全くありません(*'▽')

こちらは完成品。沖縄県産の琉球松やクスノキを使います。一番人気は琉球松で、内地の松と比べて木目がはっきり、色目も濃く出るそうです。レジンの色をブルーにして沖縄の綺麗な海を表現しています。

こちらは人気商品の琉球松を使ったレジンコースター!イベント時などに製作体験ができるそうです。

OutWood

【住所】豊見城市豊見城1114-1 C-01,02
【休み】毎週月曜日
【営業時間】9:00~18:00

公式ホームページ

漆works三時茶

「漆works三時茶」は、漆工房ロイツ、TRUNK site、漆のさんかく舎の3つの工房が入居する共同工房です。3人は、沖縄県高度工芸技術者養成研修の漆芸研修修了生で、卒業後こちらに入居して活動をされています。それぞれの屋号で制作をされていますが、イベント出店などは「漆works三時茶」名義で活動をしています。

みなさんの商品と一緒にパチリ!琉球漆器というと赤と黒の色づかいで、薄紙にくるんで箱に入れて大切に保管し、特別な日に取り出して使うというイメージがありますが、漆works三時茶では、もっと身近に漆製品を感じて欲しいという想いから、器やお箸、小物といった日常生活で使うアイテムに漆を表現しています(*´▽`*)

こちらでは、3人が漆製品の製作を行いながら商品の販売もしています。商品の説明を聞きながら製作風景も見学ができます(*'▽')

漆works三時茶

【住所】豊見城市豊見城1114番地1 B-03

公式Instagram

大塚木工

大学で彫刻を専攻し、彫刻家として活動したのち教員を経て、現在の木工にたどり着く。キャンプが趣味で、ビーチで周囲にあるものを使って居場所を作ったり煮炊きをしたりといった、自然のものを生活の道具に変える体験が好き。その体験から周りにある木に少し工夫をして身の回りで使うことによって生活を豊かにして欲しいとの想いから木工にのめりこんだそうです!^^ 

大塚さんの作品の数々!全てガジュマルやクスノキといった沖縄に自生する木で作られています。沖縄の木は高温多湿な気候の影響か精緻な家具の材としては不向きと言われていますが、周りにある沖縄の木にこだわる大塚さんは、生活の中で使える一輪挿しやお皿、スプーンといったものを作ります♪

一番人気の手掘りのアカギのコーヒーメジャースプーンの成形です。一本一本手彫りで味があります(≧▽≦) 

大塚木工

【住所】豊見城市豊見城1114-1 A-1

公式Instagram

Kamii jewelry

もともとジュエリーやアクセサリーを作る彫金を行って来られたそうですが、沖縄県高度工芸技術者養成研修の金細工研修を卒業し、今は伝統的な金細工の技法と彫金の技術を融合した商品を制作されています♪

右側は沖縄金細工「房指輪」。伝統的なアイテムの一部をつる・かめ・さくら・たちばなに変えて、長寿の願いを込めてお母様にプレゼントされたそうです。素敵ですネ(*´▽`*)

マハエもネックレス・指輪・ピアスでおしゃれをさせていただきました(≧▽≦)

商品は沖縄の植物や自然をモチーフにしたものが中心です。工房の窓からは沖縄らしい風景が望める最高の環境です♪

kamii jewelry

【住所】豊見城市豊見城1114-1 A05
【連絡先】kamii.okinawa@gmail.com

公式ホームページ

染め・織り体験、陶芸体験ができる「体験工房」

体験工房では、染め・織り体験、陶芸体験ができます。世界に一つだけの沖縄土産を作ることが出来ます!今日は玉藍工房さんで染め・織り体験にチャレンジします!さんご焼き工房さんでは、お客様が制作された焼き物の窯出しの瞬間に立ち会えました(*'▽') 

玉藍工房

沖縄では、藍色の染料として古くから琉球藍が利用されてきました。琉球藍は沖縄本島北部を中心に栽培されています。玉藍工房は、代表の池原さんが本部町の農園で栽培している琉球藍が使われています。玉藍工房では、琉球藍の染め・織り体験ができます(*´▽`*)

藍染体験スタートです♪

デザインを決めて、洗濯ばさみで挟んだり、ビー玉を輪ゴムで縛ったりします。

藍染め液に漬けていきます。藍染め液は濃紺に見えますが緑色です。

藍染め液から上げた瞬間は緑色です。

空気中の酸素に触れることにより緑色から藍色に変化していきます。

何度か漬け・上げを繰り返し、好みの濃さに染まったら水洗いします。

洗濯ばさみやビー玉を外して完成です!

世界に一つだけの琉球藍染めハンカチが出来ました!持ち帰りが出来るので、お土産に最適ですね♪

織り体験もできます。沖縄の海をイメージしたコースターの完成です(≧▽≦)

玉藍工房

【住所】豊見城市豊見城114番地1 体験工房3
【営業時間】10:00~17:00(体験受付15:30まで)
【定休日】月曜日(祝日にあたる際には営業)
【ご予約・お問合せ専用番号】080-3975-0306

公式ホームページ

沖縄さんご焼き工房

沖縄さんご焼き工房では、小さなお子様からシニアまで参加出来る陶芸体験が出来ます。デザインを選び、ご自身の感性を生かした自分だけのオリジナル作品が焼き上がります。我が家の守り神に世界に一つだけのシーサーを作ることができます(*´▽`*) 

シーサーやろくろを使った器作りも出来ますよ!^^ 

今日は以前作ったお客様の窯出しの日!13時間ほどかけて焼き上げた後、窯を少し開けて2日間かけて窯の温度を下げていきます。わが子を抱くようにやさしく一品一品窯から出していく真栄城さん♪

個性的なシーサーの数々!体験は粘土から形を作るところ(成形)までになります。その後、素焼きと色付け、本焼きはさんご焼き工房で行います。完成品は指定の場所まで郵送してくれます♪

こちらは真栄城さんの作品です。ゆがんだ緩やかな形の中に琉球石灰岩の雰囲気をあしらってさんごや魚も模様を入れたものを総称してさんご焼きと呼んでいるそうです。とても素敵ですネ。こちらで購入することも出来ます(*'▽') 

沖縄さんご焼き工房

【住所】豊見城市豊見城111番地1
【営業時間】13:00~18:00
【定休日】毎週月曜日、第2・第4日曜日
※月に1度、窯焚きのためお休みすることがあります。
【電話番号】090-1941-6436

詳しくはこちらから

おきなわ工芸の杜に入居するすべての作り手と会えるイベント!

2023年5月20日(土)おきなわ工芸の杜で「杜のオープンアトリエ」が開催されます!
こちらでご紹介した作家のみなさんは各工房にいますので、作家のみなさんとの直接ふれあいながら、自分にとってお気に入りとなる一品を見つけてみてはいかがでしょうか。

おきなわ工芸の杜への行き方は?

■車・タクシーでお越しの場合
【無料駐車場】約70台 (周辺)沖縄空手会館約100台、豊見城市公園約200台
県庁から車で約10分
奥武山公園県立武道館から車で約5分
那覇空港から車で約14分
空港自動車道豊見城ICから車で約7分
※時間帯によっては、遅延が生じる場合があります。

■バス・モノレール(ゆいレール)をご利用の場合
那覇空港からのアクセス(※奥武山公園駅で乗り換え)
ゆいレール:那覇空港直通の「那覇空港駅」から乗車して、「奥武山(おうのやま)公園駅」で下車
路線バス:奥武山公園駅すぐ近くのバス停「奥武山公園駅前」豊見城(とみぐすく)中学校向けに乗車【系統番号:101・105】
路線バス:バス停「豊見城(とみぐすく)公園前」で下車
バス停から徒歩5分で『おきなわ工芸の杜』に到着

いかがでしたか?
沖縄の伝統工芸というと敷居が高いイメージがありますが、ここでは沖縄の伝統工芸をわかりやすく説明してくれて、若い担い手の作家さんとふれあいながら身近に感じることが出来ました!^^体験も楽しく思い出に残るお土産をゲット出来ました。那覇空港にも近いので、ぜひ足をお運びいただき、沖縄の伝統工芸に触れてみてください♪

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