那覇ジャズ散策！初めてでも楽しめるジャズバーガイド！

那覇の国際通り周辺では、毎晩のように生演奏でジャズを聴くことができます。徒歩圏内にこれほどたくさんのジャズスポットがあるのは、世界的にもめずらしいことです。各店舗で奏でられるジャズは即興性があり、日によって異なる表情をみせてくれます。観客も聴きたいところだけ、思い思いのスタイルで、楽しめるのです。
ここでは、ドラマーで作曲家の中村亮さんが、ジャズバーに行ったことがないという方でも気軽にジャズを楽しめるよう、お店での楽しみ方やジャズの歴史等をご紹介します。
秋の夜長、那覇でジャズに浸ってみてはいかがでしょうか。

※当記事は、2024年9月に開催された、なはーとジャズマンス「那覇ジャズまーい～はじめてのジャズスポットめぐり」（主催：那覇市　企画制作：那覇文化芸術劇場なはーと、中村亮）の取材をもとに制作しております。

中村亮さん

ドラマー/作曲家

沖縄県出身。
Berklee音楽大学卒。
卒業後、2001年よりBostonにてプロ活動を開始。
2004～2005年中国上海にて演奏活動、2005年より再び拠点をアメリカ、ロサンゼルスへ、その後ニューヨークに移す。
2007年バンド、「element of the moment」を沖縄にて結成。
2009年東京へ移住。プロジェクト「Trickstewart Band」を開始。自身のバンド活動,サポートドラマーとしての活動に加え、プロデューサー、アレンジャーとしても活動。
2015年拠点をドイツ、ベルリンへ。４年間の音楽活動を経て2019年に帰沖。
2023年に録音、ミックスまで自身で行うakira.drums初アルバム「we have only one season」をリリース。
現在東京、ベルリン、沖縄を中心に音楽活動を行い、地元沖縄では音楽事業のディレクターも務めている。

公式ホームページ【アキラドットドラムス】はこちら

実は那覇の国際通り周辺は“ジャズ処”

私は国内外のさまざまな場所で演奏したり聴いたりしてきましたが、歩いて行ける範囲内で、毎日のようにジャズの生演奏が聴ける場所がこんなにたくさんあるのは、世界的にもめずらしいです。現在、国際通り周辺には8軒のジャズを聴けるお店があります。

ドラマー/作曲家　中村亮さん

いくら持っていれば楽しい夜を過ごせる？

ジャズバーと言うと敷居が高いイメージがあるかもしれないですが、どのお店もチャージが1,500円前後で、ドリンクを2杯くらい飲むと考えると3,000円くらいあれば大丈夫なのです。喋りながら音楽を聴く、飲みながら音楽を聴く。これもジャズなんじゃないかな、と思います。

ドラマー/作曲家　中村亮さん

ジャズの楽しみかたについて

ジャズは、アメリカで生まれた音楽のジャンルです。ヨーロッパが発祥のクラッシック音楽は静かに聞くものだと皆さん認識されていると思いますが、ジャズは正反対の参加型音楽で、自分が良いと思った時に『イェーイ！』って声をあげてもいいし、拍手してもいいのです。自由に意思表示していただけると、ミュージシャンも絶対良い演奏をすると思います。

ジャズの醍醐味は即興だと言われていますが、ある一定のルールを守ったうえでの即興になっています。まず最初に、その曲を作った方へのリスペクトの想いを込めて全員で演奏します。その後、各パートごとにソロ演奏を行います。ここでそれぞれの意思表示をしますので、「よくわかった」とか「すばらしい」とかの想いを込めて拍手等で返事をしていただければと思います。そういう意味では、ジャズはステージと観客が対等な関係で成り立っている音楽なのです。

ドラマー/作曲家　中村亮さん

沖縄のジャズバーの特徴

沖縄の方言に「いちゃりばちょーでー」（いちゃりば兄弟）という言葉があります。これは「一度出会えば皆兄弟」という意味で、沖縄の人々が大切にしている人間関係や絆を表す言葉です。初めて会った相手でも、一度つながりができればお互いに兄弟姉妹のように親しく接するべきだ、という考え方を表しています。
「いちゃりばちょーでー」は、沖縄のジャズバーでも見られ、楽器をやった経験がある方がいれば、どうぞどうぞとステージにあがって一緒に演奏することを勧められます。とても沖縄らしくて僕は好きです。

ドラマー/作曲家　中村亮さん

国際通り周辺のジャズバー紹介～8軒のジャズバーが奏でる特別な空間～

では、那覇の国際通り周辺のジャズバー8軒を見ていきましょう。歩いて行かれる範囲にこれだけあるとジャズバーのはしごができますよ！

ドラマー/作曲家　中村亮さん

ジャズライブイン寓話

ジャズライブイン寓話は、沖縄を代表するジャズピアニストとして活躍した故・屋良文雄さんが1979年開いたジャズバー。普段は息子の朝秋さんを中心としたメンバーがパフォーマンスしています。

ジャズライブイン寓話店内　©真栄城潤一
屋良朝秋（ピアノ）、ぶん岩崎（サックス）、たっちゅー（ベース）、津嘉山善栄（ドラム）　©真栄城潤一
屋良朝秋（ピアノ）©真栄城潤一
ぶん岩崎（サックス）©真栄城潤一
津嘉山善栄（ドラム）©真栄城潤一
たっちゅー（ベース）©真栄城潤一

ジャズライブイン寓話

那覇中学校の目の前にある親しみを感じられるジャズバー

■住所：那覇市若狭3丁目2-27コパ１階　
■営業時間：19:30〜　ライブ：21:15〜
■定休日：月曜
■チャージ：1,500円+ドリンク代金

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Live Music Bar SOUND M’S

創業13年目のLive Music Bar SOUND M’Sで演奏される音楽は、ジャズがメインのほか、ブルースも聞くことができます。
国際通り沿いにある建物の階段を上がり3階入り口のドアを開けると、外の喧騒から遮断されるように落ち着いた空間に身体が入り込んでいくのが分かります。

Live Music Bar SOUND M’S店内　©真栄城潤一
知念嘉哉（ギター）、ジェフ蔵方（ベース）、田場龍之介（ドラム）で「T-RYM」というトリオ　©真栄城潤一
知念嘉哉（ギター）　©真栄城潤一
ジェフ蔵方（ベース）　©真栄城潤一
田場龍之介（ドラム）　©真栄城潤一
店内に飾られた絵（オーナーの柴田さん作）　©真栄城潤一

Live Music Bar SOUND M’S

外の喧騒から遮断されるように落ち着いた空間

■住所：那覇市久茂地3-29-68　久茂地産業ビル3階　
■営業時間：20:00~（ライブにより変動）
■定休日：不定期（ジャズのセッションは火・木曜）
■チャージ：1,000円〜+ドリンク代金

公式ホームページ

Jazz Live House ピノスプレイス

開業から41年を迎えるJazz Live House ピノスプレイスは、那覇市東町にあるジャズバー。店内は仄暗く、客席はグランドピアノとドラムをぐるりと囲むように配置されており、ところどころで灯る間接照明の暖色がかなりムーディな雰囲気を演出します。

Jazz Live House ピノスプレイス店内　©真栄城潤一
オーナーでボーカルの中村瑠美子　©真栄城潤一
髙雄飛（ピアノ）　©真栄城潤一

Jazz Live House ピノスプレイス

41年の歴史が紡ぐ、親密でムーディなジャズ空間

■住所：那覇市東町11-12清洲ビル１階　
■営業時間：20：00〜3:00
■定休日：月曜、火曜
■チャージ：2,000円+ドリンク代金

公式ホームページ

ジャズライブ KAM'S HOUSE

ジャズライブ KAM'S HOUSEは、2021年に亡くなったジャズピアニスト香村英史が、1980にオープンした老舗。
その志を継いで、毎晩スタンダードのジャズ演奏が行われている。その歴史感は、ピアノの上にまで積み重なった数々の古い楽譜本や、壁に所狭しと並べられたレコードからも感じることができる。店の前でモノレールの工事が始まったのを機に今の場所に移って21年。那覇の都市開発の移り変わりと共に営みを続けてきたお店です。

ジャズライブ KAM'S HOUSE店内 ©長濱良起
川崎円佳（ボーカル）©長濱良起
川崎巽也（ギター）、川崎円佳（ボーカル）、広瀬千代（ピアノ）©長濱良起

ジャズライブ KAM'S HOUSE

いつ来ても、ジャズライブが楽しめる店

■住所：那覇市牧志２丁目7-22 ソシアルビル・コスモ2階
■営業時間：20:30~26:00
■ライブ：21:00～23:00（毎日）
■連絡先：098-863-3651
■定休日：年中無休
■チャージ：1,000円～+ドリンク代金

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The Harvestmoon Jazzclub

「グランドピアノがあるジャズのお店が栄町にあるギャップが面白いんじゃないかと思って」とオープンの経緯を話すのは、The Harvestmoon Jazzclub のオーナーでもあり、ボーカリストを務めるMitchy。グランドピアノは正面ドアからは入れられなかったため、台風接近中で天候が良くない中で、クレーンで吊って窓から搬入したという。