敏感肌の人ならきっと一度は感じたことのある、日焼け止めを塗ったときの違和感。人間が感じるなら、同じ生物のサンゴも感じているのではないでしょうか。
自分の肌にやさしいものを選ぶように、その身体が入る海にも、その海でしか生きられないサンゴや魚にもやさしいものを選んでみませんか?
海へ入るとき、紫外線対策のために日焼け止めを使用する方は多いかと思いますが、実は私たちの皮膚を守るその日焼け止めが、海には悪影響を及ぼしているのです。
その事実を知ったとき、今まで何気なくしていた行動を振り返って「海の皆さん!ごめんなさい!」と謝りたくなってしまう人がいると、この海の未来は明るいかも知れません。
『サンゴに優しい日焼け止め』を開発した金城さんも、「まさか私が」と今までの自身の行動に驚き、調べて探して、それでも納得できなかったからこの日焼け止めを作ったと話してくれました。
■サンゴが減ってしまうと何が起こるのでしょうか?
「シュノーケルに誘われて座間味ビーチに行った時、たっぷりと日焼け止めを塗って海に入る準備をしていました。その時に一緒だった人が放った一言が私の人生を変えました。」と語る金城さん。
『サンゴ死んじゃうよ』
そもそも、サンゴが減ってしまうと何が起こるのでしょうか?
サンゴには褐虫藻というプランクトンの仲間が共生しており、この褐虫藻が光合成によってCO2を吸収しています。
この働きにより海水が浄化され、海が綺麗に保たれているのです。
また、海の生き物の25%がサンゴと関わりながら生きているといわれており、サンゴが減ってしまうと、多くの海洋生物にも影響を与えてしまいます。
もちろん、その海洋生物をいただいている私たち人間にも影響があるというわけなのです。
それを知ると、サンゴが実は私たち人間の暮らしにも欠かせない存在なのだと実感しますよね。
金城さんも、最初は気にせずシュノーケルを楽しんでいましたが、泳いで海の中を見ていると、友人の言葉がだんだんと心に響いてきたのだそう。
以前から沖縄の海の環境の変化について話には聞いていたものの、自分の行ってきた行動が環境破壊につながっているのだと身に染みて思ったのだそうです。 それまで何となく知っている環境問題や海のゴミ問題など、ずっとずっと遠くの誰かのせいにしていたと懺悔するように話してくれました。
■やさしい気持ちがそのまま形になりました。
そんな中で、実はハワイやパラオでは、サンゴの白化減少の一因となってしまう成分が含まれた日焼け止めの販売が禁止となっていることを知った金城さん。
自身の体験をふまえ、そしてウチナンチュ(沖縄の人)にとっては似た場所で、親戚のように身近な存在であるハワイをお手本に、サンゴに配慮した日焼け止めの開発に取り組みはじめました。
金城さんのこだわりは、日焼け止めのその名称にまで。
情報を探して専門店に出向き商品を見つけたときに、ハッキリと『これは優しいです』と書いていない難しい表記では、求める商品に出会えていてもそのことに気づけない、同じ思いを持って探している人が商品を手にすることができないと思ったのだそうです。
このやさしい気持ちがそのまま名付けられて形になり、『サンゴに優しい日焼け止め』が誕生しました。
■今こそもう一度、海を見つめるチャンス
白くならない軽い塗り心地で、化粧下地としても優秀な『サンゴに優しい日焼け止め』は、肌にも優しく長持ちするので、小さな子どもにも安心して使えると親子で使用するユーザーも多いそうです。
「海外旅行の好きな人、沖縄旅行や海が大好きな人に広がっていけば嬉しいです。遠くの誰かにとって自分も遠くの誰かのはず、誰もがその1人であることを感じて欲しいと思いました」と金城さんは語ります。
たった1人の行動は、この世界中に広がる海全体から見ると本当に小さなものです。でもその1人の想いが伝わり10人に…100人に、地域全体に、沖縄県に、全国にと繋がった先には、世界への影響を与える大きな動きが待っています。
誰もが大好きな美しい海のために、今できる小さな一歩、明日、肌につけるひと塗りから変えてみてはいかがでしょうか。