亜熱帯地域である沖縄特有の植物が数多く植えられた森が広がり、触れて、遊べて、学べる観光施設「ビオスの丘」。
空から見ると、園の中心には龍の形をした大きな池があり、湖水観賞舟や平舟 (SUP)、カヌーなどのアクティビティが楽しめます。子どもも大人も、興味津々で耳を傾けながら亜熱帯の風景を楽しんでいます。
その他にも、水牛車や探検隊など様々なプログラムが用意されていて、何度来ても新たな発見があるのがビオスの丘の魅力。リピーターが多く、修学旅行や遠足で来たことをきっかけに家族で訪れたり、地元の人がふらりと癒やされに来る姿も見られます。
中でも人気なのが「ジャングルクルーズ」と呼ばれる湖水観賞舟。船頭さんが舟の舵を取りながら話すユーモアあふれるトークには、自然を守ることの大切さなど学びがいっぱい。
園内に入って、最初に気づくのはカトレアの香り。ここでは一年を通して様々な植物が生い茂っていて、四季がないと言われる沖縄でも、咲く花の種類や虫の声で季節の移り変わりを感じることができます。
■創業からずっとスタッフが受け継いできた気持ち
「この自然を未来に残したい」
SDGsの17の開発目標のほぼ全てが該当しているビオスの丘では、創業当初から変わらぬスタンスで環境に配慮しています。
実はビオスの丘はもともと蘭の栽培をする農家で、大量に必要となる水やり用の水を確保するためにいくつかの河川をせき止めて人工湖を作ったことから始まりました。
そこから、船着き場を整備して舟を浮かべたり、遊歩道を作ったりと観光施設として整備。今では、園内に数か所ある水洗トイレの水も、池の水と雨水貯水で100%まかなっています。
施設作りの際に大切にしたのは「誰もが安全に楽しめること」。
詳しいお話をビオスの丘営業課の照屋真吾さんに伺いました。
「昔の沖縄では、家の裏山に基地を作ったりして遊んでいました。ビオスの丘は、そんな裏山で遊べる感覚に近い場所なのです。 やんばる(沖縄本島北部)の自然は素晴らしいですが、気軽に行くには遠く、危険もたくさんあります。 だから誰でも安心安全に楽しめる、やんばるの森を限りなく自然に近い形で再現しました。
園内はバリアフリーで、遊歩道の散策はもちろん、ジャングルクルーズもトイレも車椅子のまま利用することが出来ます。 また、ここではずっと当たり前に見てきたのに、いつの間にか数が減ったり絶滅危惧種になっている動植物も多くあります。
この池にいるリュウキュウメダカは、希少な在来種。大学の教授が研究の為何度も調査に来ています。だから私達がこの場所を管理して、ずっと残していくのは今ある自然を未来に繋げる作業なのかなと思っています。
創業以来、根底にあるものは何も変わりませんが、SDGsを知ることで大切にすべきことがよりクリアになった気がします」
今ある自然を守るということは、生態系を壊さないことでもあります。そのため、外来種の駆除はとても大きな課題だそう。テラピアやアカミミガメなど外来生物を海へと流出させないよう、稚魚のうちから定期的に駆除をおこなっているといいます。
一方で、水底にびっしりと生えてくるクロモには自然の浄化作用があります。雨のあとに濁った池の水は徐々に澄んできて、晴れた日が1ヶ月も続けば最高で水深5メートルほどまで見えるそうです。自浄作用により水の美しさが保たれるのも、”自然の姿”です。
■ここは、懐かしいものに触れて大人が童心に還れる場所
ビオスの丘では、限りなく純血に近いアグー豚や、島ヤギ、水牛に鶏など、沖縄でかつて家畜として飼われてきた動物を飼育していて島ヤギは無料で触れ合うことができます。
園内には竹馬や巨大ブランコ、秘密基地みたいなアスレチックなど様々な遊具があり自由に遊べますが、どれも極力プラスティックを使わず自然の素材で作られています。
竹馬などは、子どもに教えながら見本を見せようとしたお父さんがうまく出来ずにムキになってしまう姿も度々見られるとのこと。
懐かしい風景や、遊具を見て大人は童心に還り、子どもたちは新鮮な気持ちで昔の沖縄の遊びを知ることが出来るのです。
■訪れるたび、新たな魅力に出会う場所。
晴れた日はもちろんですが、雨の日もまた違う顔でフォトジェニックになるビオスの丘。葉から滴り落ちる雨の雫を観察したり、たっぷりと水を含んで元気になった植物を見ながら散策するのもまた素敵です。
ジャングルクルーズや水牛車も雨の日はまた全然違う感じ方が出来るので、訪れるそのときならではの、それぞれの魅力を見つけてみてください。
沖縄特有の植物が数多く植えられた森が広がり、触れて、遊べて、学べる観光施設「ビオスの丘」。創業当初から変わらぬスタンスで環境に配慮しており、創業当初から変わらぬ環境への配慮により、亜熱帯らしい沖縄の“自然の姿”を楽しむことができます。