“Bean to bar”それはチョコレートの原料となるカカオの買い付けから、チョコレートバーになるまでを一貫して行うスタイルのこと。 10年以上前にアメリカで発祥したのち日本でも徐々に広がり始め、沖縄初の“Bean to bar”として北谷町にオープンしたのが「TIMELESS CHOCOLATE」。 そこでは、カカオ豆と沖縄のサトウキビのみを原料とした、唯一無二のチョコレートを生み出しています。
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■世界にどこにもないチョコレートを作るために
たどり着いたのが沖縄だった
沖縄初の専門店としてTIMELESS CHOCOLATEが北谷町にオープンしたのは2014年のこと。なぜ沖縄でチョコレート?と思ってしまいますが、そこには沖縄ならではの食材が深く関わっていました。
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「なぜ高温多湿な沖縄でチョコレート?溶けちゃうでしょ?って言われますが、チョコレートって突き詰めていけば、カカオ豆と砂糖だけで作れるんです。その砂糖の原料となるサトウキビが目の前にある沖縄って、実は最高の環境でした。」と語るのは、代表の林さん。
現在沖縄に存在する、それぞれ風味も食感も異なる約40種類の個性豊かなサトウキビを、世界のカカオとマッチングしたら面白いんじゃないか、と思ったのがTIMELESS CHOCOLATEのはじまりでした。
しかし、現在では、サトウキビを収穫機で一気に刈り取って工場で製糖されるのが主流となっていて、サトウキビを手で刈って新鮮なうちに絞り、薪で焚いた火にかける「昔ながらの製法」で黒糖を作る人は、県内でもごくわずか。 この状況を知った林さんは、チョコレートを通じてこの黒糖文化を後世に残していかなければと思ったのです。
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薪を使うと、電気やガスのように火力調整は出来ませんが、黒糖の精製に必要なのは熱量(カロリー)。 「右回しが一番効率的にエネルギーを取り込める」という先輩方の知恵に倣い、シンメー鍋(円錐状の大型鍋)を使って、右回しでひたすら混ぜていきます。結晶化するタイミングで少し鍋肌に当てて焦がしを入れると、香ばしい風味を生み出すことができるのだそう。
■これこそが「ぬちぐすい」
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「黒糖は、“作る”のでなく“生む”のだと教えられました。生まれたての黒糖はさつまいものようにホクホクですごく美味しい。 先祖代々つないだ味を解釈して次の時代に繋げていくことは、歴史背景やたくさんの人の紡いだ想いを繋げること。ぬちぐすいは“命の薬”と書きますが、自然本来の素材で作った体に良い食べものというだけでなく、心の栄養にもなるという意味があるのです。」
■サトウキビの栽培と、ゴミを減らすサイクル作りへの挑戦
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TIMELESS CHOCOLATEは、自分たちで使うものをもっと知り、より原料を研ぎ澄ますために、自社農園と指定農園を複数持ち、林さんを始めスタッフ総出で刈り取りなどに参加。 サトウキビの絞りかすや、チョコレート製造の際に大量に出るカカオの皮、刈り取った雑草を肥料として使用してゴミを減らすサイクルを作りながら、自然から生まれた菌の住める安全な土壌で上質なサトウキビを栽培しています。 また、2020年にはその活動が認められ、県知事賞も受賞しました。
■沖縄でつくられた素材のみで作る、唯一無二を目指して
また、沖縄では、これまで作ることができなかったはずのコーヒー栽培が次々に始まっています。県内離島にカカオ栽培へ適した土壌と水脈を持つ土地を見つけ、自然の力だけで育てることの出来るカカオ栽培にも乗り出した、林さんたち。
県産のカカオとサトウキビだけで作る「唯一無二」のチョコレートに会える日もそう遠くはないはずです。
「誰かに何かを贈りたいと思ったときに、ワインを選ぶ感じでタイムレスのチョコレートを選んで貰えるような存在になれたらと嬉しいですね」と語る林さん。
カカオやサトウキビを適切な価格で買い取ることや、丁寧に手間をかけて作られている背景を知ると、通常より少し高い金額にも納得です。
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林さんの探求はチョコレートだけにとどまらず、酒造所とバーテンダー、大学と一緒になってラム酒づくりにも着手しているのだそう。
唯一無二のチャレンジで、伝統や地域に”やさしい”ものづくりに取り組むTIMELESS CHOCOLATEによって、地産地消やサトウキビの文化に関わりやすくなる未来が浮かびます。
沖縄ならではのぬちぐすいで、やさしいチョコレートを選んでみませんか?
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日常にエンターテインメントをもたらしてくれる、TIMELESS CHOCOLATEのこだわりチョコレート。ハーバー店、砂辺店の他、以下のショップでも購入することが出来ます。
樂園百貨店 公式HPはこちら
ロジャースフードマーケット 公式HPはこちら
Dear Okinawa 公式HPはこちら