■世界自然遺産『やんばるの森』をガイド散策
森を楽しみ学んで守る〜体験学習アクティビティ
世界自然遺産登録地域を有し、地元の人に“やんばる”と呼ばれ親しまれている沖縄本島北部エリア。 名護東道路の開通により、沖縄自動車道・許田(きょだ)ICから、東海岸に位置する東村までは30分ほど。窓の外には海あり山ありマングローブありと、絶好のドライブコースです。
ガイドさんに導かれて、「やんばるの森」へ。
楽しく散策しながら、この森の多様性や自然保護の取り組みを体感してみましょう。
■森を感じて、やんばるの森を知ろう!
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オーストラリア世界遺産ガイドとして、
グレートバリアリーフなど同国の世界自然・文化遺産の案内を務める。
2015年11月よりヤンバルンチャーのガイド代表に。
ピンクのドアをくぐって、坂を下り森に足を踏み入れると、まるでスイッチが入ったように空気が変わるのです。 木々を揺らす、しっとりと心地よい風。そして、渓流のせせらぎと鳥や虫たちのさえずるハーモニーが、一瞬にして日々の喧騒を忘れさせてくれます。
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ピンクのドアをくぐるとすぐに、やんばるの森が現れます。
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坂を降りると渓流が流れ探検隊気分に。長靴も貸してくれるので安心。
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細い小径を進むにつれ、ジュラシックパークの世界へタイムスリップしたような亜熱帯植物が生い茂り、ワクワク感が高まります。
■日本の両生類、爬虫類の約60%が生息!
世界でも有数の多種多様な生態系
気分が高まってきたところで、鳥居さんが芸人さんのような声と口調でレクチャーを始めてくれました。
「やんばるの森は、1億年前から生き続けている古い森なんです。この森には日本の両生類、爬虫類の約6割が生息し、多種多様な生態系を育んでいます。希少な固有種、絶滅危惧種も多く、2021年7月ユネスコ世界自然遺産に登録されました。」
生きた化石とも呼ばれる、背の高いシダ植物「ヒカゲヘゴ」や、トトロの傘でおなじみの「クワズイモ」など、森の中では珍しい動植物をたくさん見ることができます。
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なぜ多くの動植物が、この森に存在しているのか?それはなんと、年間2000ミリを超える雨が亜熱帯林を育んでいるからだそう。鳥居さんの優しいガイドを聞きながら、マイナスイオンに包まれた森を進んでいきます。
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10m以上の大きさになり日陰を作る。
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ヒカゲヘゴに触るとお金持ちになるとの言い伝えも
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大人の傘になるような大きさに。
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バナナは木ではなく常緑多年草。草の一種なのです。
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本州ではフルーツとしてたまに見かけるくらいですが、
沖縄では炒め物などにするポピュラーな食材。
■身近な世界自然遺産〜そのメリットとデメリット
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「やんばるは那覇空港から車で2時間もかからないほどのアクセスの良さで、その他の世界自然遺産地域と比べて、気軽に行けるのが大きなメリットですよね。 こうしたガイドツアーなどで、楽しみながら大自然と触れ合い、その自然を少しでも残していこうという意識を持っていただければと願っています」と、鳥居さんは笑顔で話します。
同時に、身近な世界自然遺産であるだけに、課題も抱えているそうです。
「アクセスしやすいということは、それだけ多くの人が訪れやすく、身近であるということは生活圏も近く、周辺にも集落が多い。人間の生活圏に近いやんばるの森は、それだけ生態系を壊されやすい、とても繊細な世界自然遺産なんです。」
■やんばるの森を守り、未来へ引き継ぐために
やんばるで最近問題になっているのが、外来種による被害。特定外来生物に指定された「ツルヒヨドリ」というツル性植物は1日に10センチも伸びるほど強い繁殖力で、他生物が生存できないほど繁茂し生態系に影響を与えてしまいます。
「このツアーを通してできることは限られていますが、まずはこの現状を知ることが大切なのです。やんばるアドベンチャーウォークでは参加者の方へも、ツルヒヨドリなどの外来植物駆除の協力を呼びかけています。」と鳥居さん。 ツアーを通して、この森を「守り、育てる」活動にも参加してみてはいかがでしょうか。
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可愛い見た目ながら、すさまじい繁殖力で他の植物の生長を妨げる。
あまりの量の多さに特定外来生物に指定されていませんが、
沖縄全域で問題視されている外来種。
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世界ワースト外来種の一つ。
なかなか根絶できないので駆除をし続けなければならない。
■やんばるの森でみられる希少生物
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■やんばるアドベンチャーウォークを体験するためのポイント
「身近」=「私たち一人ひとりの行動が大きな影響を及ぼす」世界自然遺産でもある、やんばるの森。訪れる際には、周辺集落の住民への配慮や、山道での運転マナーなどに気をつけることが必要です。 事前の心得と準備をしっかりと持つこと。安全に自然を楽しむことが、この世界の宝物を未来に受け継ぐことにも繋がるのです。
やんばるの森と正しくふれあうためにツアーの前日は、「やんばる3村ルール&マップ」をチェック。
やんばる3村ルール&マップ 公式HPはこちら
自然を楽しむために知っておきたい、アドバイスや注意事項、ルールや心得が書かれています。
自分の身を守り、自然を楽しむために、予習しておきましょう。
東村 公式HPはこちら