沖縄本島中部に位置する読谷村は、美しい海を楽しめるダイビングスポットや、やちむんの里や座喜味城跡など沖縄の文化を体験できるスポットが多く、県内外の多くの方から愛されています。
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そんな読谷村の海岸にある、陸のサンゴ礁「さんご畑」。
「養殖したサンゴは卵を産まない」という定説があった中で、養殖サンゴによる海での産卵を成功させた金城浩二さんによる、サンゴ養殖施設です。
その取り組みやさんご畑の美しさが広まり、サンゴや海の環境について学ぶことができる場として世界中から多くの人が訪れています。
■人と自然の繋がり、循環する環境を感じるエコシステム
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海の生き物の約25%がサンゴに関わりながら生きているといわれるほど、私たち人間の暮らしにも欠かせない、重要な存在であるサンゴ。
しかし、海水温の上昇や水質汚染により、沖縄だけでなく世界中のサンゴが減少の一途をたどっています。
「この状態を知ったのに、何もしないのは自分が一番後悔する。」金城さんはその思いで、サンゴを増やすための取り組みを始めました。
気の遠くなるような時間をかけて、失敗や工夫を積み重ね、今の美しいさんご畑を築き上げてきたのです。
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施設内の水槽の中で間近に見られる、様々な形や色をしたサンゴ。そのまわりには綺麗な植物が植えられており、まるで本物の自然の中に入り込んだような風景。 繊細な生き物であるサンゴのための“全てのバランスを整える”工夫として、施設内には濾過装置や冷却装置を設置せずに、陸から海まで循環するエコシステムを作り上げています。
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そのエコシステムに感動し、金城さんたちの新たな工夫を楽しむために何度も訪れるリピーターも多いのだそう。 中には、沖縄と同じようにサンゴ礁に囲まれた島国で生まれ育った海外の方が、「海のためにできることはないか」と訪れることもあり、国境を越えたサンゴや海との関わり合いが生まれています。
■お客さんと海をつなぐ存在として
自らの立ち位置を、“お客さんと海をつなぐ役割”と語る金城さん。社会環境が変化し、自然で遊ぶ機会が減っている中で、施設を訪れるお客さんの興味に合わせて海の魅力を分かりやすく伝える“インタープリテーション”を行っているのだそうです。
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「サンゴにこだわるわけではなくて、お客さんがヤドカリに興味を持っていたら、何かヤドカリの話をしてあげる。 小さな子がナマコを初めて触ったり、魚に餌をあげたりして遊ぶこともあるよ。それを通して海や自然を好きになってくれたら、それがサンゴ礁の価値を上げると思っている。」
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その一環として提供している「サンゴの苗づくり体験」は、サンゴの生態をレクチャーしながら、「株分け」という養殖技術を体験できるプログラム。 普段はなかなか触れ合えないサンゴを通して、海や自然環境の大切さを学ぶことができます。そして、苗づくり体験で株分けされたサンゴも、サンゴ畑で大きく育てて目の前の海に植えられます。
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施設内は、”陸のサンゴ礁”と呼ばれるのも納得の美しさ。昼は明るいサンゴ礁の中を魚が泳ぎ回る風景を、夜はライトアップされた幻想的な光景を見ることができます。かつてのサンゴ礁を知る方はさんご畑を見て、涙を流すほど感動するのだそう。
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今後は施設のリニューアルも予定されており、金城さんが長い年月をかけて作り上げた陸のサンゴ礁は、世代を超えて多くの人を魅了し続けます。