■「もったいない」から新たな価値を生み出す
雑貨店「toncati」
リサイクルされることなく、そのまま廃棄されてしまう木くずや廃木材、新聞紙、チラシ、紙袋、ガムテープの芯…。捨ててしまえば“ただのゴミ”ですが、使うことができれば“資源”。誰かにとっては不要なものでも、ある人にとっては価値のあるものなのです。
「形のあるものは“まだ使える”と思ってしまって、なかなか捨てられないんです。祖父や祖母の影響かもしれません」
こう話すのは、牧志公設市場の近くにお店を構える雑貨店「toncati(トンカチ)の店主 瀧田冴子(たきださえこ)さんです。
瀧田さんは、本来ならば捨てられる運命にあった廃材や端材を活用して作品を製作。店内には、廃材から生まれた壁掛け一輪挿しやフォトフレーム、トレイ、木材に新聞紙やスーパーのチラシを切り貼りしたブローチやイヤリング、キーホルダーなどが所狭しと並んでいますが、どれもが廃材から作ったとは思えないほどのクオリティに仕上がっています。
瀧田さんは和歌山県出身。高校卒業後は、大阪にある専門学校のインテリア設計科で専門スキルを磨き、その後東京へ。東京では家具の修理やモノづくりの仕事に携わり、同じ頃に独学で家具や木製小物の製作を始めました。
そんな瀧田さんは2009年にご主人と、一度だけ訪れたことのある沖縄に移住をしました。「半分冗談みたいな感じだったんです。軽いノリで移住してしまいました」と瀧田さん。2015年には「せっかくいろいろ作れるんだから、お店を開いてみれば?」というご主人の後押しがあり、
東京にいた頃はモノづくりをするための材料は購入していたそうですが、沖縄移住後はもともと持っていた「まだ使えるものを捨ててしまうなんてもったいない」という気持ちが大きくなり、友人の大工さんから譲り受けた廃材や近所のガラス屋さんで余っている木材などを利用して作品づくりを始めるようになりました。
■インテリアに取り入れたい!暮らしを彩る可愛いアイテム
「人は“余裕があるからお花を飾る”のか“お花を飾るから心に余裕ができる”のかは分かりませんが…」と瀧田さん。しかし、お花を飾ると部屋の雰囲気が変わるだけでなく、沈んだ気持ちが前向きになった、という体験をしたことがある方も多いのでは?
気分がふさぎこんでしまったり、心が疲れてしまった時におすすめなのは、廃木材で作られたこちらの一輪挿し。取っ手の部分は、スパムポーク缶やサバ缶などのプルタブでできています。
沖縄の街を歩いていると出会う花ブロック(通気ブロック)のデザインを小さなインテリアにした「OKINAWA HANABLOCKS」は植物を活けたり、カードスタンドにしたり。
重ねるとインテリア雑貨としても楽しめそうですね。
もともとは自分用に作っていたという「ハナニョーーン族 マグネットフック」は、鼻にモノをかけられる便利アイテム。強力な磁石が入っているため、100gほどの重さまでは耐えられるそうです。
「自分自身が幸せだと、生きやすくなりますよね。そして隣の人や出会う人々に優しくなれる。私の幸せは『開けた時に思わず笑っちゃった』というお客さまの反応です。笑顔は世界を平和にしてくれるはずです」と瀧田さん。
最近落ち込んでいるあの人には「いつでも心に おばちゃんを」をテーマにした「おばちゃんマインドブローチ」をプレゼントしてみませんか?
おばちゃんが身に付けている洋服は、新聞広告や沖縄のスーパーの特売広告を切り取り、貼り付けたものです。
oncatiではオーダーメイドも受け付けています。例えば、短い材料を繋いで使うことで生まれた「TUGIHAGI FRAME」は、中に飾る絵や写真のイメージに合わせて額縁の作成をすることも可能なので、まずはご相談を。
“繋がって続いていく”という意味も込められているフレームは、結婚祝いや出産祝いにも相応しいギフトになるはずです。
瀧田さんの手によって手作りされたアイテムは、どれも世界にひとつだけ。ぜひ手にとってご覧ください。toncatiはオンライン販売もあるので、買い忘れやリピート購入されたい方は、そちらもチェックしてみてください。