■マンゴースイーツ専門店が作った、
「食べたくなるような石鹸」と「潤う美容液」とは?
那覇空港から沖縄自動車道を約1時間半北上したところにある名護市。海に囲まれ、山々が連なる自然豊かな街です。昔から農業が盛んで県内でも農業生産高が高いことで知られています。
そんな名護市で、マンゴースイーツ専門店「おきぽたショップ」が注目を集めています。
■廃棄の悲しさを乗り越え、マンゴー販売からスイーツの開発へ
「おきぽたショップ」代表取締役の藤田梨恵さんは、2008年よりマンゴー販売を開始しました。おきぽたショップのマンゴーは一般的なマンゴーとは違い、収穫後に果実ひとつひとつの状態に合わせた「追熟」を行います。その甘さと品質の良さが評判となり、リピーターのお客様が増えていったそうです。
順調にマンゴー販売を進める中、2014年8月、マンゴー収穫のピーク期に超大型台風が沖縄を直撃します。3日間続いた暴風雨で、飛行機は全て欠航となり、おきぽたショップから出荷予定だった約100kgのマンゴーは処分することに…。お客さまに届くはずだったマンゴーが捨てられるのを見て胸を痛めた藤田さんは、「加工、保存が出来れば廃棄は避けられる。マンゴーを使ったスイーツを作ろう!」と、決意しました。
■独学で作ったスイーツが全国のコンテストで3位に!
お菓子作りの経験がない藤田さんは、スイーツ開発にあたりさまざまな有名店のマンゴースイーツを食べ歩きましたが、マンゴー本来の味がする商品には出会えませんでした。「私のようなマンゴー好きが食べても幸せを感じられるスイーツを世に送り出したい!」と、独学でお菓子作りを始めます。そしてなんと、スイーツ開発を始めて2年後に、沖縄代表として出品した「全国ご当地おやつランキング」というコンテストで3位に入賞しました。
受賞した「プリン・ス・マンゴー」は、マンゴーピューレと、マンゴークリームの2層仕立て。食感が違う2つの層が混じることでこれまでにないハーモニーを楽しめます。
ホールで購入できる「贅沢マンゴーホール」は、契約農家から仕入れ、素材そのものの状態で冷凍したマンゴーをたっぷりと使用。スポンジケーキとの相性もバッチリです!
バースデーケーキとして名前を入れることもでき、店舗ではもちろん、通販でも購入可能で県外発送も対応しています。
・公式サイト
https://www.okipotashop.jp/
■フードロスゼロを目指し、
人にも地球にも優しい化粧品を開発
台風被害のたびに生まれる廃棄マンゴーを買い取り、スイーツにすることで生産者の収益向上に努めていた藤田さん。次に目を付けたのが、加工後に出る種や皮の廃棄でした。その量は全体の約30%!「何とかフードロスゼロにできないか?」と試行錯誤している中、藤田さん自身が使っているシャンプーや美容液に、マンゴー種子オイルが使われていることに気付きます。「沖縄産のマンゴーの種と皮を絞ったエキスを、石鹸や美容液に再利用しよう!」
■クラウドファンディングで得た、
確かな手応え
またしても未経験なジャンルに飛び込んだ藤田さん。「防腐剤、保存料を使わず、食べられる材料のみで開発したい!」という想いに応えてくれる「パートナー探し」に苦労したそうです。開発を進めながらクラウドファンディングにも挑戦し、見事に目標達成!改めて沖縄マンゴーに興味を持っている方が多いことを実感したそうです。
「まるで美容液のようなマンゴー石鹸」は、自然乾燥で凝固するまでに約1ヶ月かかります。「食べたくなるような石鹸を作って欲しい」と、職人に見せたのは、自身が作ったマンゴースイーツ。石鹸は職人の手作りによって、マンゴーソースが織りなすマーブル模様が見事に再現されており、同じ模様の石鹸は一つとしてありません。
「保湿」をコンセプトに作られた「マンゴー果実エキス入り 保湿美容液」は、甘さ控えめで爽やかな香りが特徴。
可能な限り沖縄産の天然素材を使い、手作業で丁寧に、肌に優しい成分を抽出していきます。「沖縄初」の県産マンゴーを使った美容液は2022年11月から一般発売中です。
■サステナブルな社会を目指す現代にマッチしたマンゴー化粧品
今後は沖縄のサロンやホテルへの卸しや、ECサイトでの販売、さらにはアジアを中心に海外へのグローバル展開も考えている藤田さん。
今まで試行錯誤しながら、マンゴーの廃棄を減らし、加工後の種や皮も商品に変え、フードロスを減らしてきました。「この商品が出来たことで、何よりマンゴー自身が一番喜んでくれていると思います!」と笑顔で話してくれました。
「おきぽたショップ」に立ち寄って、あなたの肌にも地球にもやさしい選択をしてみませんか。