観光のプロに聞いた!~首里城周辺のディープな首里さんぽ~
- 掲載日:
- 2025.01.01
昨年は「おきなわ物語」をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
本年も皆さまに最旬の沖縄観光情報をお届けできるよう、スタッフ一同尽力して参ります。
2025年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。
おかげさまで、「おきなわ物語」を運営する一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、2024年に創立70周年を迎えることとなりました。
これを記念し、OCVBでは特別インタビュー記事を公開中でございます。
第一弾「沖縄観光のプロに聞いた!大自然やんばるの魅力!」、第二弾「沖縄そばジョーグー(愛好家)に聞いた!~私のそば~」に続き、70周年記念企画の第3弾として、「首里城周辺」にスポットライトを当て、首里を愛するOCVB職員へのインタビューしてみました。
首里城について
琉球王国時代の王城であり、さまざまな分野の中心を担った沖縄のシンボル的存在
首里城は、日本や中国の様式を取り入れつつ琉球独自の様式で創建され、1429年の琉球王国成立から、1879年に最後の国王尚泰が明治政府に明け渡すまで、約450年に渡って繁栄しました。
正殿は、琉球王国最大の木造建造物であり、国王自らが政治や儀式を執り行う重要な場所で、北殿は王府の中央行政庁であり、中国皇帝の使者「冊封使」を接待する場として、南殿は日本的な儀式や薩摩藩の接待所として使われました。
1925年には国宝に指定され、1930年代には大規模な修繕が行われるなど、ますます文化的価値を高めていきましたが、第二次世界大戦が勃発。1945年の沖縄戦によって全焼しました。
戦後、首里城跡地は琉球大学の学舎として使用されていましたが、段々と、首里城復元の構想が強まり、本格的な復元工事が始まりました。そして1992年に正殿と瑞泉門などが復元完成し、首里城公園の一部が開園しました。
2000年には首里城正殿の土台となる基壇遺構が、沖縄県内の9つの城跡や建造物とともに世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つに指定され、その年にあった九州・沖縄サミットにおいて各国首脳の夕食会が開催されました。
2019年に起こった火災によって首里城正殿を含む7棟が焼失しましたが、現在は2026年の完成を目指し、復元に向けた作業が進められています。
首里城公園について
首里城跡など世界遺産に指定された歴史的文化財
首里城(しゅりじょう)公園は、首里城正殿を中心とした有料区域と無料区域の城内、守礼門(しゅれいもん)や園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、円覚寺(えんかくじ)跡、弁財天堂(べざいてんどう)といった周辺文化財からなる公園です。
一般駐車場のある首里杜館(すいむいかん)はレストセンターとなっており、公園内の案内やレストラン、売店があり観光の休憩所として多くの来館者に利用されています。
無料区域にある「系図座・用物座」では、伝統的な琉球菓子とさんぴん茶を味わえる「呈茶サービス」をお楽しみいただけます。<※有料>
創建年代は不明ですが、第一尚氏による三山統一後に王城として確立されたとの記録があります。
城外には守礼門など2門あり、琉球石灰岩の切石を積み上げた城壁には歓会門や瑞泉門、白銀門などの城門が設けられました。内郭には百浦添御殿(ももうらそえうどぅん)とよばれる正殿と、その前面左右に南殿、北殿が相対して建てられています。
2000年12月には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。
【首里城公園の開園区域について】
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2019年10月31日に発生した首里城正殿をはじめとした主要7施設の火災の影響により、見学可能なエリアが変更となっています。
※開園の区間やイベント、ガイドツアーなど最新・詳細情報につきましては、首里城公園の公式ページよりご確認・お問合せ下さい。
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首里エリアについて
こちらで紹介する記事にて、首里エリアの魅力や楽しみ方を紹介していますので、ぜひご覧ください。
王様のもとを訪れるさまざまな⼈が通った⽯畳道は
歴史ロマンあふれるとびきりのスポット。
風情あふれる石畳の道をおさんぽしてみませんか?こちらの記事では、首里エリアのみどころや、おすすめのスポット、十二支めぐりについてなど、首里城や首里エリアを楽しむためのアイデアをご紹介しています。
❝沖縄観光のプロ❞ OCVBの職員に聞いてみた!
インタビュイーとエピソードをご紹介!
今回は、首里を愛する首里愛好家の皆さんから、お休みの日に首里エリアをゆったり散策したくなるようなお話を聞いてみました。
・OCVB首里愛好家 Sさん
・OCVB首里愛好家 Kさん
・OCVB首里愛好家 Mさん
―――早速ですが、OCVB首里愛好家のSさんについて教えてください!
―――首里エリアでのエピソードを教えてください。
私が留学に行く前日、沖縄料理を堪能してその味を糧に向こうで頑張ると宣言して、家族で行った首里殿内が印象的です。たまにその時に撮った家族写真を見返しますが、私は希望にあふれた笑顔、私以外の家族は笑顔ですが寂しそうな表情もうかがえて、送る側はさみしいよな~と感傷にひたることもあります。いまでもお店の前を通るとその時の写真があたまをよぎりますよ。現在も祝い事や接待でたまに利用します。庭もあって落ち着けるんです。
小学生の時に首里琉染でつくったTシャツがお気に入りすぎて、土日のどちらかは必ず着用していました。今はもう着られなくなりましたが、捨てることができずに保管しています。
また、首里高校出身の子に、首里は通堂とポケットマーニー(カレー)が美味しいと言われて、高校時代や大学生の時によく通っていました。
―――早速ですが、OCVB首里愛好家のKさんについて教えてください!
私は、MICE推進課に所属している「K」です。
県内のMICE事業者をまとめる 沖縄MICEネットワークの運営をしています。
―――首里エリアでのエピソードを教えてください。
首里で育っているので、小中高の思い出がたくさんあります。
11/3の王朝祭り首里は小学校の間は参加していましたし、自由研究で龍潭池に行ったときは、アヒルに追いかけられたこともあります。
中学校は、首里特有の坂を使った坂ダッシュや持久走があり、なんで平坦なところがないの~となんども地形を恨みました・・(笑)
高校は首里城を通る通学路だったため、観光客のいない朝の風景(犬のお散歩コースだったり、おじいちゃんおばあちゃんが散歩していたり)も良いですし、放課後は小学生の遊び場になったりという一面も垣間見えます。ちなみに、通学路が城壁沿いの石畳道だったのでローファーがすぐぼろぼろになり、買い替えが誰よりも早かった自信があります。
首里で育ち暮らすと地域のつながりや、首里城とその歴史を意識する機会が多く、様々なことをより身近に感じ、学びながら成長していきます。だからこそ、首里の人は地域に対する愛情と誇りがより深いのだと思います。
2019年の首里城火災の日は夜鳴り響く消防車の音で目が覚め、モノレールで出勤する際に煙の出ている首里城を見て悲しい気持ちになったのを覚えています。首里の朝市の開催や城内イベントなど、復興に向けて地域が一致団結!という雰囲気になってきているのも首里愛ならではだと感じています。首里城の再建、楽しみです。
―――早速ですが、OCVB首里愛好家のMさんについて教えてください!
私は、国内事業部国内プロモーション課に所属している「M」です。
主に国内観光客を対象とした誘客プロモーション業務を担当しています。
―――首里エリアでのエピソードを教えてください。
私は高校生まで首里で過ごしました。小学生のときにはよく母と首里の街を散歩し、首里の歴史を教えてもらったことを今でも鮮明に覚えています。毎年元旦には、父と姉と一緒に首里城で行われる「新春の宴」を観に行くことが恒例行事です。高校時代は首里城のすぐ隣の高校に通っていたことから、お弁当をもって首里城公園でお昼を食べたり、部活前後に首里城公園内を散歩したり、卒業アルバムも「西のアザナ」で高台の景色をバックに写真を撮ったりするなど、首里城は私の『青春の場所』となっています。
【01】首里城周辺で特に好きなスポット(景勝地や公園、通りなど)
景勝地や公園・通りなど、首里城周辺で特に好きなスポットと、そのスポットでのおすすめの過ごし方について、インタビュイーの皆さんに質問してみました。
―――Sさんの特に好きなスポットはどこですか?(景勝地や公園、通りなど)
私の好きなスポットは琉潭池沿いの通り、首里城公園です。
Sさん
―――それらのスポットでのおすすめの過ごし方を教えてください。
通りを散歩するのがおすすめです。首里城公園では必ず茶屋によって、さんぴん茶と琉球菓子を堪能します。最近は必ず御城印を購入するようにしていて、集めることが趣味になっています。
Sさん
―――Kさんの特に好きなスポットはどこですか?(景勝地や公園、通りなど)
首里城の西のアザナや、首里金城町の大アカギ、首里十二支まーいです。
Kさん
―――それらのスポットでのおすすめの過ごし方を教えてください。
西のアザナは、晴れた日は眺めがよく周辺の島々が見え、夜でも夜景がとても綺麗です。近くの高校に通っていたのですが、休み時間や放課後によく行ってました。
金城の大アカギは年に一度神様が下りてくる日があり、パワースポットとなっています。1つだけお願い事ができるとのこと。願い事を一つに絞る作業もなかなか難しいので、自身の煩悩を取り払う意味がありそうと勝手に思ってます。
十二支まーいは、4つのお寺を回るのですが、普段はなかなかいけない近隣のグルメと回るのがおすすめですよ。
Kさん
首里は坂道が多いので、徒歩/自転車どちらにしても夏場は結構ハード…。
これからの冬の天気の晴れた日がおすすめですよ!
Kさん
首里金城の大アカギ
戦災を奇跡的にまぬがれた、推定樹齢200年のアカギの大木。推定樹齢200年以上ともいわれる6本のアカギで、国の天然記念物にも指定されています。
- 住所
- 那覇市首里金城町 3-18
―――Mさんの特に好きなスポットはどこですか?(景勝地や公園、通りなど)
サガリバナの名所「瑞泉通り」と首里城公園内の高台スポット「西のアザナ」です。
Mさん
―――それらのスポットでのおすすめの過ごし方を教えてください。
首里城の南東側にある瑞泉通りは、かつて琉球王府の王家御用の馬場であったため、道は平たんでまっすぐ歩きやすい通りとなっています。サガリバナの名所ともなっており、美しい並木道となっているためゆっくりお散歩がおすすめです。
通りには瑞泉酒造があり、泡盛の歴史を学びながら種類豊富の泡盛をお土産で買うためにぜひ立ち寄って見てほしいです!泡盛が苦手でも、飲みやすい紅茶リキュールやパッションフルーツのリキュール、度数が低くてデザインも可愛い泡盛など、商品のラインナップが豊富で楽しめること間違いなしです!
Mさん
首里城公園内の高台スポット「西のアザナ」は、首里城公園内の無料エリアにある、那覇の街と慶良間諸島が見渡せる展望台です。昼間に水平線を眺めることも、夕方にサンセットを楽しむこともでき、どちらとも感動的です。遊歩道も整備されているので気軽に行くことが出来ます。首里城観光の際にはぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
Mさん
【02】首里周辺のおすすめの飲食店やカフェ
つづいて、首里周辺のおすすめの飲食店やカフェについて、みなさんのお話しを聞いてみました。
―――首里愛好家の皆さんがおすすめする、首里周辺の飲食店やカフェを教えてください!
・首里殿内(おきなわ料理)
・ウォルフブロイ(ビール飲む)
・ビーンズ(ゆし豆腐の定食)
・かりーさんふぁん(ぶくぶく茶の体験)です。
雰囲気はどこもゆったりしていて、のんびりすごせます。
Sさん
・「ウォルフブロイ」いいですよね。まさにドイツビールのお店!
さまざまなクラフトビールが並びます。
首里城内は結構歩くので、散策の後の一杯に・・・。
私は首里ヘイジーをお勧めしますが、種類はたくさんあるので飲み比べも良し。
休日はピザ会などのイベントもあるので狙うのも良しです。
・「rokkan COFFEE SHURI」もおすすめ!カフェモカがおすすめです。
おいしいケーキもあります。
・「ななほし☆食堂」は首里エリアでのランチに。
自家製豆腐を使ったメニューが特におすすめ。
最近夜営業も始まったそうですよ。
・「うえち家」はランチがおススメです。
たくさんのおかずで「まごはやさしい」を意識した内容。
野菜がたくさんとれます!
・「ケーキと焼き菓子のお店 イロトリドリ」もおすすめ。
玉陵の近くにあるケーキ屋さんです。
あの首里にあったてぃーぱんぱんのグーパイが食べられます。
・焼き菓子屋さんの「TOUKA BAKE SHOP」もおすすめですよ。
Kさん
・首里城から近くはないけど、首里久場川町にある「ぎぼまんじゅう」の”のまんじゅう”もおすすめです。老舗のおまんじゅうがいただけます。中身はあんこたっぷり月桃のかおりが最高で、お昼くらいにはいつも売り切れてます。わたしはこの店のキーホルダーを鍵につけてます。
・また、首里大名町にある老舗おでんの「信濃路」もおすすめ。あの星野仙一さんも通ったとのうわさで、うちなーおでんがおいしいんです。
・首里石嶺町にある「ビストロアビエ」は、ワインと食事が絶品なんですよ。
Kさん
・「首里そば」です。あっさり上品な沖縄そばがいただけます。
平麺で食べ応えがあり、定番の紅生姜ではなく、針生姜がのっていることが特徴的です。
・「御食事の店 純」です。
首里高校正門の向いにあるかき氷が有名なお店(以前は食事も提供していましたが、今は冷やし物オンリーみたいです)で、長年地元客や学生に愛され続けているお店です。
ボリュームたっぷりのかき氷やぜんざいが動いた後の体に染みます。
・「rokkan COFFEE SHURI」は沖縄の素材を活かした店内のつくり。
コーヒー豆の種類が多く、迷っていると店員さんがいつも親切に説明してくれ、好みの一杯をご提案してくださります。
店内はテーブルがなく、カウンター席と琉球畳で作られたベンチでゆっくりとしたひと時を過ごすことができます。飲食が提供される琉球漆器がとても魅力的です。
Mさん
【03】首里を満喫できるモデルコース
最後に、首里エリアを散策する際におすすめのモデルコースについて、お話を聞いてみました。
―――首里エリアを満喫するモデルコースを教えてください!
歩くのが好きな方は全部徒歩で回れるコースです。
「conte」でランチ→「首里城」見学→「ウォルフブロイ」でビールを飲んで解散
※conteは沖縄の食材を使用したランチが楽しめます。
こちらも、歩くのが好きな方は全部徒歩で回れるコースです。
首里の「龍潭通り」を散策→「ぶくぶく茶屋 嘉例山房」で小休憩→「首里琉染」で染め体験や買い物→「首里殿内」で思い出に残るディナーを。
※都市景観形成地域に指定されている首里金城地区は、細街路の整備とあわせて石畳や赤瓦、高さ制限のある街並みが広がっていて、他の地域とはまた違った街並みが楽しめます。
※「首里琉染」から夕飯の時間まで少し余裕がある方は、「慈眼院 首里観音堂」の見学もおすすめです。
「首里殿内」は中庭を囲んだつくりになっていて、心地のよい空間で泡盛と創作うちなー料理が楽しめます!
首里城:観光
首里駅→「ななほし☆食堂」でランチ →「rokkan COFFEE SHURI」のコーヒーをテイクアウトしながら「首里城」へ→首里城散策(西のアザナ必須)→「ウォルフブロイ」でビール→「首里染織館suikara」で工芸品をお土産に→首里駅
十二支まーい:ウォーキング
首里駅→「西来院(達磨寺)」→「沖縄黒糖カレーの店 あじとや首里城店」→「太平山安國寺」→「首里観音堂(慈眼院)」→「⼤⽇⼭ 盛光寺」→「榮椿」でカステラを買う→儀保駅
まずは「首里そば」で、これから広い首里城公園内や周辺地域を散策するためにお腹を満たしましょう。首里城を横目に瑞泉通りまで歩き、「瑞泉酒造」を見学。そのあと「首里琉染」でサンゴ染め体験!少し小腹が減るころだと思うので、「純」のかき氷でリセット。守礼門に向かい、西のアザナや復興中である首里城を見て回わり、芸術大学をとおって「rokkan COFFEE SHURI」のコーヒーで歩き回った疲れを癒し、首里さんぽ終了!
―――インタビューは以上になります。お時間ありがとうございました!
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かつて琉球王国の歴史と文化の中心であった首里。王族のお菓子として古くから愛されてきた琉球菓子や、お土産にもおすすめの新しい沖縄スイーツを求めて、古都をゆったり巡るモデルコースです。
【05】首里城復興について
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【06】イベント情報
首里城公園にて、令和7年1月1日(水・祝)から1月3日(金)までの3日間、毎年恒例のお正月イベント「新春の宴」が開催されます。
琉球王国時代の伝統的な正月儀式の再現(一部)や家族みんなで楽しめる体験型プログラムを通して、新年を彩る特別なひとときをお届けします。歴史文化が息づく首里城で、新年ならではの時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
私は、総務・経理課に所属している「S」です!
人事、総務業務全般をになっています。