連載・おきなわ41物語/あなただけの穏やかな時間 渡名喜

掲載日:
2024.11.15

41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。

地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。

41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?

懐かしく優しい雰囲気に魅了される島

渡名喜島は、沖縄本島から北西約58kmのところに位置する島です。
島内には伝統的な赤瓦の家屋、フクギの屋敷林、石垣など古き良き沖縄の伝統的景観が残っており、集落全体が国の「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されています。この渡名喜島は戸締りが不要なほど治安が良く、別名「戸無き島」とも呼ばれているほど、のどかな島です。
島中を包み込むような、どこか懐かしく優しい雰囲気は、渡名喜島独特のもの。観光開発されていない島だからこそ体感できる特別な時間が、訪れる人を魅了します。

INDEX

| Access |渡名喜島までの行き方

渡名喜島へのアクセスは、那覇市泊港から出港する久米島行きのフェリーと那覇空港から飛んでいるヘリタクシーの2通りあります。ヘリタクシーは、フェリー欠航時の特別料金(補助適用額)もあります。

フェリー

那覇市泊港から出港する久米島行きのフェリーで約2時間です。
フェリーについてのお問い合わせは久米商船株式会社の各連絡先まで
那覇 本社(098)868-2686
久米島支店 985-3057
渡名喜支店 989-2497

【時刻表】  那覇→渡名喜島→久米島

便名 那覇泊港発 渡名喜島着 渡名喜島発 久米島着
1便 那覇泊港発:9:00 渡名喜島着:10:55 渡名喜島発:11:10 久米島着:12:30

【時刻表】 久米島→渡名喜島→那覇 ※2便は、4/1~10/31の夏季限定(金曜日のみ)

便名 久米島発 渡名喜島着 渡名喜島発 那覇泊港着
1便 久米島発:9:00 渡名喜島着:10:20 渡名喜島発:10:35 那覇泊港着:12:30
※2便 久米島発:14:00 渡名喜島着:15:20 渡名喜島発:15:35 那覇泊港着:17:30

【料金表】

片道 那覇~久米島 那覇~渡名喜島 渡名喜島~久米島
大人 那覇~久米島:3,450円 那覇~渡名喜島:2,750円 渡名喜島~久米島:1,160円
小人 那覇~久米島:1,730円 那覇~渡名喜島:1,380円 渡名喜島~久米島:580円
大人往復 那覇~久米島:6,560円 那覇~渡名喜島:5,230円 渡名喜島~久米島:2,210円
小人往復 那覇~久米島:3,111円 那覇~渡名喜島:2,480円 渡名喜島~久米島:1,050円

ヘリタクシー

那覇空港~渡名喜島へリポートまでヘリタクシーが出ています。 片道約20分ほどで到着します。利用料金は1機分の値段になるため、乗客人数(最大5名)に応じて一人当たりの金額が変化します。通常料金とフェリー欠航時の特別料金(補助適用額)があります。
■通常料金:片道176,000円
■フェリー欠航時の料金:47,300円
ヘリタクシーの予約・お問い合わせはエクセル航空株式会社(098)857-7563まで。

| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください

渡名喜島は那覇市の北西約58㎞に位置し、島内には伝統的な赤瓦の家屋、フクギの屋敷林、石垣など古き良き沖縄の伝統的景観が残っており、集落全体が国の「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されています。今回は、そんな誰もが知る一面だけでなく、まだ誰も知らないような一面も紹介したい!地域を知り尽くしたみなさんに、ズバリこんな質問をしてきました。

「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」

この問いに答えてくれたのは、渡名喜村地域おこし協力隊の日向寺 一彰さん。
「渡名喜村は、那覇からフェリーで約2時間のところにあり、北に粟国島、南東に慶良間諸島、西に久米島を望み、それらの島々の中央にある三日月形をした面積約3.5㎢の島です。渡名喜村の魅力は、観光地化されていないところだと思います。高級リゾートホテルやプライベートビーチはありませんが、ゆったりとした時間が流れるあがり浜ビーチがあって、浜の東屋のベンチに座って本を読むのも良いし、砂浜でサンセットを見ながら黄昏るのもおすすめです。そんな渡名喜村ですが、島で初めてのコーヒー屋さんがオープンしたり、ゲームの舞台として取り上げられたりと新しい動きもありますよ!」

では、日向寺さんの案内で、今まで見たことがない渡名喜島の一面を見ていきたいと思います。

日向寺 一彰さん

渡名喜村地域おこし協力隊

北海道帯広市出身。遠軽町で消防士・救急救命士として勤務後、人生一度きりをモットーに、最北から最南の地沖縄へ行くことを決意。数ある候補地の中から、渡名喜島の風土に惚れ込み2024年5月から地域おこし協力隊として赴任する。沖縄にきて良かったことは雪かきが無いこととヒグマに会わないこと(笑)

おすすめ①隠れた宝石のような島

昔ながらの沖縄の風景や静かな環境、美しい海、伝統文化に満ちた場所で、観光地としては比較的知られていない隠れた宝石のような島です。

おすすめ②島内唯一のコーヒー屋さん(コーヒーヌヤーハクシュ)

渡名喜島の旅客ターミナルすぐ後ろ渡名喜村観光案内所の2階に2023年8月にオープン。テラス席2席、カウンター席5席の眺めのいいカフェ。

おすすめ③ゲームの舞台として

渡名喜島をモチーフとした渡夜時島(とよときじま)が作品の舞台として登場し、最近、聖地巡礼として渡名喜島を訪れる方も増えています。

おすすめ①隠れた宝石のような島

過去にタイムスリップしたかのような、琉球王朝時代の原風景が広がる島の集落。アスファルト舗装はほとんどされておらず、白砂の道とふくぎ並木、赤瓦の家々が生活に溶け込んでおり、集落内を歩けば琉球王朝時代の風土と現代の生活が混ざり合った光景を見ることが出来ます。集落全体が国の「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されています。

高級リゾートホテルやプライベートビーチはありませんが、ゆったりとした時間が流れるあがり浜ビーチがあって、浜の東屋のベンチに座って本を読むのも良いし、砂浜でサンセットを見ながら黄昏るのもおすすめです。もし海に入りたくなったらそのまま入ってください。浜の近くには無料のシャワー室があるので砂で汚れても大丈夫です。

海だけでなく、整備された散策道(島尻毛散策道、サカシ散策道)を上がって山の上から見る景色も、他には無い渡名喜島の魅力です。

夜の暗闇を優しく照らす、渡名喜島の名物・フットライト。幻想的な景色の中で夜のお散歩が楽しめます。浜沿いの真っ暗な夜道では星空を満喫。流れ星が見えたらラッキー!!

日向寺 一彰さん /渡名喜村地域おこし協力隊

渡名喜島に来られた方々が、自分の思うままに自分の時間をゆったりと過ごしていただけたらいいなと思います。その中で、自分だけのお気に入りを見つけることが、この島の一番の楽しみ方だと私は思います。

日向寺 一彰さん /渡名喜村地域おこし協力隊

おすすめ②島内唯一のコーヒー屋さん(コーヒーヌヤーハクシュ)

コーヒーヌヤーハクシュは、渡名喜港から徒歩1分くらいのところにある、渡名喜村観光案内所の2階に2023年8月にオープンした島で唯一のコーヒー屋さんです。
店名のコーヒーヌヤーは、沖縄の方言で「コーヒ屋さんをしている家」という意味。ハクシュは拍手。「キミにはくしゅ♫」という名曲から頂いたとのこと。歌を聴くと店主の想いが伝わってきます。

♪キミにはくしゅ!〈振り付き〉だいすきなキミに はくしゅ キミにとんでいけと はくしゅ~♪

コーヒーヌヤーハクシュは、テラス席2席、カウンター席5席の眺めのいいカフェで、おすすめはアイスコーヒー、ルートビアフロート、氷ぜんざい、日替わりサンドウィッチ。焙煎士から取り寄せている豆をハンドドリップで入れてくれます。

コーヒーヌヤーハクシュ

本格コーヒーを楽しめる島内唯一の珈琲店

【住所】沖縄県島尻郡渡名喜村1917-3 渡名喜村観光案内所2階
【営業時間】11:00~13:00/14:10~15:30 
日曜・祝日→10:00~13:30 
※行事などによって営業時間や店休日に変更がある場合もあります。
【定休日】火・木曜日
【備考】現在臨時休業中/営業日はInstagramで確認してください。

公式Instagramはこちら

おすすめ③ゲームの舞台として

「イハナシの魔女」は、PC、PS4、PS5、Switchなどでプレイ可能な、沖縄の離島を舞台とするビジュアルノベルアドベンチャーゲームです。渡名喜島をモチーフとした渡夜時島(とよときじま)が作品の舞台として登場します。最近、聖地巡礼として渡名喜島を訪れる方も増えているとか。

沖縄の美しい自然や島の文化を背景に、ファンタジーとコメディ、そして感動的な要素が織り交ぜられており、全編フルボイスで物語が進行します。また、インディーゲームながら高い評価を得ており、ストーリーの魅力やキャラクターの深みが多くのプレイヤーに支持されています。

「イハナシの魔女」PV

日向寺 一彰さん /渡名喜村地域おこし協力隊

私もゲームをプレイしたのですが、内容がとても面白くて驚きでした。
細田守さんや新海誠さんの映画作品が好きな方は、きっと好きになる作品だと思います。
プレイし終わった後に島を歩くと、「ここの風景、作中のあのシーンだ!」とかいつもの景色がまた違った視点で楽しめるので、観光の楽しみ方の1つとして皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

日向寺 一彰さん /渡名喜村地域おこし協力隊

製作会社様のご厚意で渡名喜島の限定ポストカードを作っていただき、来島された方に無料でプレゼントをしています。無くなり次第終了予定なので、来島された際は是非ゲットしてくださいね。

| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン

リゾートではできない素朴な旅!ゆっくりと歩いてまわる2泊3日

『何もしないことができる島』あなただけの穏やかな時間がここにはある

渡名喜島にはバス、タクシー、レンタバイクはありません。渡名喜村観光協会でレンタサイクルをしてますが、台数に限りがあります。(電動アシスト自転車2台・普通自転車4台)
あるのは豊かな自然とあなただけの穏やかな時間。そんな渡名喜島でのんびりゆっくりと歩いてまわる2泊3日の旅です。
疲れたら途中で止めて帰ってきてもよし、気に入った場所があれば何時間でも眺めていてもよし、ご自由にお過ごしください。

詳しくはこちら

| comment |一般社団法人渡名喜村観光協会からのメッセージ

一般社団法人渡名喜村観光協会

あなただけの穏やかな時間を過ごせます!

渡名喜島は観光客がとても少ない島のひとつで、赤瓦・白砂・ふくぎ並木という沖縄の原風景が残る数少ない地域です。
平成12年には、文化財として重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。また、2つの山が合わさってできた島ということもあり、北部と南部で地形が大きく異なります。他では見られない地層、ダイナミックな風景が楽しめます。
日が沈むと集落の道にフットライトが灯り、昼とはまた違った幻想的な空間が広がります。
そんな渡名喜島であなただけの時間を過ごしてみませんか。

公式ホームページはこちら

| 編集後記 |おきなわ物語編集部

今回紹介したのは渡名喜島。この島には、リゾートホテルもコンビニもありません。宿も数件しかないので、1日の宿泊人数も限られます。交通手段は、バス・タクシー・レンタバイクはなく、レンタサイクルも台数に限りがあるので、基本歩いて観光する島です。一方で、このような環境だからこそ、見られる沖縄の原風景、感じられる沖縄の風、守り続けられる生活習慣、があります。沖縄県には、沖縄本島を除いて39の有人離島がありますが、この環境の島はなかなか無いのではないかと思います。是非、そんな渡名喜島で、「なにもしないこと」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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