沖縄の文化のひとつである伝統工芸を
身近に感じたいなら、
実際の製作工程を知ることができる
「ものづくり」体験がおすすめです。
やちむん作りから琉球ガラス製作まで、
初心者でも安心して楽しめる
さまざまなプログラムが用意されているため
職人の技を学びながら、
本格的な伝統工芸体験ができます。
「やちむん」の魅力がつまった
シーサー作り体験
壺屋焼の窯元として、伝統を守りながら新しいチャレンジをしている「壺屋焼 陶眞窯」は、工房の一角でやちむん体験を実施しています。家族や友人と一緒に体験したい方におすすめなのが「シーサー作り体験」。土の塊からシーサーのパーツを作り出し、土台に合わせて一から作成するため、体験スタッフのレクチャーのもと、本格的なシーサー作りを楽しむことができます。
まず最初は前足からスタート。その後はスタッフのアドバイスをもとに、シーサーの足元に置く表札や顔などを順番に作っていきます。最も難しいのは、くるんとカールしたまゆげやヒゲの部分。指先を使って手作業で行いますが、細かい部分は竹串などの道具を用いて馴染ませ、工夫しながら作成します。工程を経るごとに、徐々にシーサーらしい姿になっていくため達成感も十分です。
耳や尻尾をつけたら、最後は目の表情などを仕上げ、記念のサインを入れて完成!「実際の工房の雰囲気を感じながら、本格的な体験が楽しめます。ぜひ自分らしいシーサーを作ってみてください」と話す、工房長の相馬さん。体験後はスタッフの解説を聞きながら工房を見学してみましょう。職人の技術の高さを間近に感じることで、「伝統工芸品」としてのやちむんの魅力をより感じることができます。
体験名:
シーサー作り体験(約90分)
- 要事前予約
- シーサー完成後焼成を含めお手元に
届くまで約2ヶ月かかります。
- 完成作品の配送を承っています。
壺屋焼 陶眞窯
TEL:098-958-2029
(午後)13:30~14:30
車で約55分
宮古上布の里で触れる、
個性あふれる「藍染」の世界
緑豊かな宮古島市熱帯植物園内にある宮古島市体験工芸村では、宮古織物事業協同組合が運営する「織物&染物工房」にて気軽に本格的な藍染体験ができます。重要無形文化財に指定されている宮古上布の産地で藍染職人が教えてくれるとあって、体験者の満足度も高いのが特徴。通常、宮古上布の染料には琉球藍が用いられますが、こちらでは扱いやすいインド藍を使用します。
子どもでも体験できると人気の「ハンカチしぼり染め体験」は、大小異なるビー玉やおはじきをハンカチに輪ゴムでくくりつけて、黒糖と泡盛で発酵させた藍に5秒ほどくぐらせることを繰り返して染色します。所要時間は1時間程度。ビー玉などの大きさや輪ゴムのしぼり方、染色の回数などで仕上がりが異なるので、作り手によってさまざまな柄のハンカチが完成します。
「地元の人も散策に訪れるほど自然豊かな環境の中で、天候や季節に左右されず体験できるので気軽にお越しください」と話す竹宮さんは生まれも育ちも伊良部島。宮古島に伝わる伝統工芸の魅力を多くの方に伝えたいと教え方や体験方法に工夫を凝らしています。宮古島の自然に囲まれながら楽しむ藍染体験は、旅の思い出づくりにぴったりです。
体験名:
藍染体験プラン(60 分)
- 5名以上は要予約
- 体験後完成品をお持ち帰りいただけます。
宮古島市体験工芸村
織物&染物工房 090-7165-9862
休館日:お問い合わせください
アクセス:宮古空港から車で約15分
歴史が紡いだ
優美な「首里織」の技に出会う
紋織から絣に至るまで多彩な織りが特徴の「首里織」。「首里染織館suikara」が実施している「首里織体験」では、絹糸の花織を織ることができます。「那覇伝統織物事業協同組合」所属の熟練の織り手が講師として付き、体験中はマンツーマンで丁寧にレクチャーしてくれるため、「機織り機の前に座るのは初めて」という方でも安心して取り組めるのが魅力です。
経(たて)糸が仕掛けられた織り機を前に、まずは緯(よこ)糸の色を選びます。多彩な色糸から好みの組み合わせを選ぶのも、織物の醍醐味のひとつ。糸を選び織り機の前に座ったら、首里花織体験が始まります。「杼(ひ)」という専用道具を用い、手足を交互に動かしながら経糸の間に緯糸を通す作業は最初は難しく感じますが、何度か繰り返し行うことでコツをつかむことができます。
シャーッ、トン、シャーッ、トントン…左右を行き来する規則的なリズムが心地よい平織りは、最も基本的な織り方のひとつ。花織の部分は、足下にある仕掛け紐を足で引きながら杼を通すため少し複雑ですが、徐々に浮かび上がる美しい模様を見ていると、自分の手で織っているという実感がわいてきます。約60〜90分時間で幅36㎝、長さ約10㎝の花織の布が完成。沖縄旅行の記念に、自分に贈るお土産としてもおすすめです。
体験名:
首里織体験(約60〜90分)
- 体験用織機2台、事前予約・当日受付可
- 織り機のサイズを考慮し、
小学校5年生以上または身長145 ㎝以上を
推奨 - 体験後完成品をお持ち帰りいただけます。
首里染織館suikara
TEL:098-917-6030
体験受入時間:10:30~17:00(最終受付16:00)
休館日:火曜日
アクセス:那覇空港より約25分
「琉球漆器」独自の技法を
自由な発想で楽しむ
「てんぶす那覇」の体験施設では、「琉球漆器」特有の加飾技術として知られている「堆錦(ついきん)」を体験することができます。漆と顔料を練り合わせた「堆錦餅(ついきんもち)」と呼ばれる漆の塊を薄く伸ばしたものがあらかじめ用意されているため、あとは講師のレクチャーに従い、じっくりと製作を楽しみましょう。
体験では、まず好きな漆のコースターを選び、そこに型抜きや堆錦刀で切り取った文様を貼り付けていきます。堆錦餅に型を押し当てる型抜き作業は、小さなお子様でも一緒に楽しめるのが魅力。講師の森長さんが手作りした型は、魚やハートなどさまざまな種類があるため、文様を自由に配置することで、世界でひとつのデザインを生み出すことができます。
「体験を通して琉球漆器を知ってもらえたら嬉しいです。あまり肩肘張らず自由に作ってみてください」と微笑む森長さん。工房には夜光貝を砕いた螺鈿(らでん)の材料も用意され、パーツとして使うことができます。美ら海を泳ぐ魚や、森の木々、珍しい生き物など、滞在中に見た沖縄の風景をデザインすれば、どこにも売っていないあなただけのお土産が完成します。
体験名:
堆錦体験(60分)
- 要事前予約
- 体験後完成品をお持ち帰りいただけます。
てんぶす那覇(体験施設)
TEL:098-868-7810
体験受入時間:10:00~16:00
(※祝祭日の場合は翌平日が休館)
職人の技を学ぶ
「琉球ガラス」製作体験
“つくる・学ぶ・楽しむ” がテーマの「琉球ガラス村」の体験ゾーンでは、幅広い世代が楽しめる各種体験を提供していますが、なかでも人気なのが「琉球ガラス製作」。ガラス職人が直接レクチャーしてくれるため、初心者でも安心してグラス作りにチャレンジできます。まずは琉球ガラスの歴史や魅力について説明を受け、基本を学んだ上で体験に臨みましょう。
最初に職人が、製作するグラスの色に合わせたカレット(ガラスの欠片)を準備し、溶解炉からガラスを竿に巻き取る様子を見せてくれます。1300℃で熱されて水飴のように溶けたガラスを型にはめたら、ここからは体験者の出番!「型吹き」という技法で、竿の端からゆっくりプーッと息を吹き込むと、みるみるうちにガラスが膨らんでいき、心が躍ります。
その後は右手に洋ばしを持ち、左手で竿をコロコロと転がしながら、グラスの飲み口を広げて形をきれいに整えていきます。ガラスはすぐにかたくなってしまうため、グラス全体に洋ばしが触れるようにリズミカルに動かしながら素早く成形することが大切だそう。現在「琉球ガラス村」では、主に室内工房での体験を実施しており、快適な空間で気軽に沖縄の伝統工芸「琉球ガラス」作りを楽しむことができます。
体験名:
琉球ガラス製作(体験時間:10分)
- 要事前予約
- ご来店の場合、体験日より7日以降に受け渡しが可能です。
- 完成作品の配送を承っています。
琉球ガラス村
TEL:098-997-4784
体験受入時間:9:30~17:30
休館日:なし
アクセス:那覇空港より約20分