国の「伝統的工芸品」に指定された、
2012年、沖縄県の伝統工芸製品に 指定された三線。
2018年には国の「伝統的工芸品」に指定。
その背景には、 沖縄県三線製作事業協同組合の 働きかけがありました。
三線国の伝統的工芸品の5つの要件
- 01 .
- 主として日常生活の用に供されるもの
- 02 .
- 製造過程の主要部分が手工業的
- 03 .
- 伝統的技術または技法により製造
原則としてその技術・技法が100年以上の歴史を有し、今日まで継続していること。
- 04 .
- 伝統的に使用されてきた原材料
- 05 .
- 一定の地域で産地形成
沖縄県内では年間約19030挺の三線が販売され、その約7割が低価格帯の海外産だと推定されています。三線職人の世界には後継者不足、原材料の枯渇など、実はさまざまな課題があります。その解決に向けて、沖縄県三線製作事業協同組合(以下、組合)は三線が国の「伝統的工芸品」に指定されることを目指しました。まず、伝統的工芸品の指定要件「主として日常生活の用に供されること」を満たすため、組合では全市町村の住民を対象に三線保有率の電話調査を実施。一人あたり0.79挺という高い保有率が確認されました。
「伝統的技術または技法により製造されていること」では100年以上、技術が継承されていることを証明しなくてはなりません。徹底した調査の結果、1853年に製作したとみられる三線「源河ウェーキ」の胴内にあった製作者名「糸数昌常」の家系図が発見され、代々技術を継承していたことが証明されました。この歴史的発見のおかげで、全国で232品目、沖縄県内では16番目、楽器としては全国で2例目となる「伝統的工芸品」に指定されたのです。
現在、組合では県内産三線にシリアルナンバーを付与し、製作年と製作者を登録するシステムを導入。三線販売店へのアンケート調査で購入者の71%が県外からの旅行者ということが判明していることから、組合では初級者向けのリーズナブルな三線も商品化しています。若手技術者の育成、情報発信、イベントへの出張、県産三線普及ブランド化委員会、「くるちの杜100年プロジェクトin読谷」への参加など、三線製作事業を次世代に残すため、さまざまな活動に取り組んでいます。
協力:沖縄県三線製作事業協同組合