■お客様がホテルの歴史をつないでくれる
自然に優しいリゾート

那覇空港から国道58号線を北上し、車を走らせること約60分。エメラルドグリーンに輝く海が目の前いっぱいに飛び込んできます。そのたもとに佇むルネッサンス リゾート オキナワは、SDGsという言葉が生まれるずっと前から環境に優しいホテルとして知られています。美しいビーチとまばゆいばかりの白い砂浜が広がる沖縄屈指のリゾートの取り組みをうかがいました。

■また帰ってきたくなるホテル、
三代にわたるリピーターも。

南国ムードたっぷりのエントランスを抜けて、開放感のあるロビーに足を踏み入れると、天窓から降り注ぐ太陽と亜熱帯の力強い植物、前方には真っ青な東シナ海が広がっています。１年を通して、さまざまなイベントを開催しており、カップルやグループ、ファミリーなど、幅広い層の観光客に愛されているルネッサンス リゾート オキナワは、地元のお客様にとっては「ハレの日」に訪れたい大切な存在です。2023年で創業35年を迎え、開業当時に新婚旅行で訪れたご夫婦が、その後は子どもを連れて、さらには孫を連れてと、三代にわたってリピートされるお客様も少なくありません。お客様アンケートには、「子どもが初めて海に入った」、「初めてプールで顔をつけることができた」という初めて体験の声も多く、スタッフ達のやりがいにつながっています。

■海の素晴らしさや尊さを、体験を通して伝えたい

「ルネッサンス リゾート オキナワがある恩納村には、マリンレジャーを目的に多くの観光客が訪れます。私達は海の恩恵を受けるホテルとして、開業以来、海に負担をかけない努力を当たり前のように続けてきました。お客様にはリゾートを満喫していただきながら、この環境の尊さをより身近に感じてもらえたらうれしいなと思っています」と、パーソネル＆トレーニングディレクターの玉元梢さん。

近年、温暖化による海水温の上昇や水質汚染などが原因で、沖縄の財産であるサンゴの白化やサンゴ礁の衰退が大きな問題となっており、スタッフ達も保護活動に参加しています。

また、サンゴの村宣言を掲げている恩納村は、サンゴ礁保全の取り組み「グリーン・フィンズ」を導入していて、それに賛同しているルネッサンス リゾート オキナワでも、「サンゴの上に立たない」、「魚の餌付けはしない」、「いかりをサンゴの上に落とさない」など、細かなガイドラインに従ってマリンプログラムを実施しています。
さらに、降雨による赤土の流出もサンゴの死滅に関わる大きな問題、そこでホテルスタッフがグリーンベルト（畑の周辺などに樹木や草木などの植物を帯状に植える）の植え付けにも積極的に参加しています。

玉元さんが続けます。
「残念ながら、現状のままでは自然を守ることが難しい時代になっています。少しでも、自然への興味や理解が深まればと、サンゴの植え付け体験を定期的に開催しています。参加者の方には、サンゴ礁がなくなって生態系のバランスが崩れると、人間の暮らしにも大きな影響があるという話をするのですが、子ども達はまず、サンゴが生き物であると知って、びっくりします」

■食材の新しい価値を見いだす「シェフの一皿　FARM to TABLE 」

今年1月からスタートした「シェフの一皿　FARM to TABLE」は、ルネッサンス リゾート オキナワや系列ホテルの全レストランと、恩納村などの近隣地域の生産者がコラボレーションして、季節の食材を使ったひと皿をメニューに登場させる企画。地産地消を活発に、フードロスをなくしたいという総料理長の発案でスタートしました。食材の新しい価値やおいしくロスのない調理法の発見など、シェフ達と生産者のコミュニケーションにより、さらなるアイデアが生まれ、回を重ねるごとに全員の意欲が高まっています。

また、感染症の影響で北部の東村でゴールドバレル（パイナップル）が廃棄の危機にあるという新聞記事を見たパティシエの発案で作ったパインタルトは、洋菓子タルトの日本一を決定する「第9回スイーツコンテスト　Tart−1 グランプリ」で見事グランプリを受賞。季節限定で提供されています。

■老舗のアイデアが光るゴミをゴミにしない取り組み

フードロスの削減には、スタッフ全員もひと役買っています。
例えばレストランで、お客様自身で絞る朝食のフルーツジュースからは、毎日たくさんの果物の皮が残りますが、これはフレッシュなコンフィチュールとなって、社員食堂で提供されます。
ベテランのスタッフ達にすこぶる好評なのが、にんじんやたまねぎなどの野菜の皮から抽出するお茶。栄養素も豊富なお茶を飲んで、皆さん、ますます元気になっているとか。
工夫の末にも残ってしまった生ゴミは、きちんと分別して、養豚所で飼料に、食用油は、油を肥料に変える企業に回収してもらいます。

■お客様の声にも支えられてできることを確実に

排水やプラスチック問題にはいち早く取り組みました。下水道がない恩納村では、大型施設には排水の処理施設を持つ義務があり、ルネッサンス リゾート オキナワでも標準の倍の厳しい排水基準でフィルタリング。排水を無害化する取り組みを行っています。
また、マイクロプラスチックとなるプラスチックストローを廃止して、再生可能な紙のストローを、客室ではマイクロビーズ（歯磨き粉や洗顔料の研磨剤として使用されることが多い直径0.5ミリ以下のプラスチック粒子）不使用のアメニティを採用しています。
電力や水資源の節約・節水のために、客室のリネン類の不交換とノークリーニングサービスを実施、ご賛同いただけるお客様には、館内のレストランやロビーラウンジ、ルームサービスなどで利用できる館内利用券を配布しています。
「お客様のご理解をいただくサービスを始めたことで、“賛同します、がんばってください”などの声がスタッフに届くようになりました。とてもありがたいことです」と玉元さん。

■地域や学校との連携で伝えたいこと

ルネッサンス リゾート オキナワは、子どもが参加できる体験プログラムも充実しています。中でもドルフィンプログラムが人気ですが、単にイルカとふれあうだけでなく、イルカを通して、海の生態系や生物について学べるプログラムになっています。他には、ホテルのお仕事体験や自然体験プログラムも積極的に行っています。

「企業として、私達には地域に還元する責任があります。地元の子ども達が恩納村の素晴らしさを再認識し、誇りを持つようなお手伝いができればと思っています」と玉元さんが最後に話してくれました。
次の沖縄旅行には「見て聞いて、触って、おいしく食べる！」そんな五感が刺激されるルネッサンス リゾート オキナワの休日はいかがですか？