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琉球の彩りあふれる染織物

琉球の彩りあふれる染織物

国指定の伝統工芸品が16点ある沖縄。 そのうち染織物が13点も選ばれています。 ルーツや特徴、魅力を紹介します。
伝統的染織物の宝庫・沖縄

伝統的染織物の宝庫・沖縄

陶芸や織物、染物など、数多くの伝統工芸が根付く沖縄。なかでも染織物は、10種以上が現在でも受け継がれています。 「沖縄の染物といえば、華やかな色彩が印象的な『紅型』が有名ですが、織物も豊富です。素材は、『芭蕉』、『苧麻(ちょま)』、『木綿』、『絹』などがあり、『花織』、『かすり』などの多様な技術が彩られます。 沖縄本島でも北部、中部、そして南部にそれぞれ特徴のある織物があります。また離島でも、宮古島や八重山諸島には『上布』と呼ばれるものが、久米島では『久米島紬』が作られています。日本でもトップクラスの多さですよ」と話す篠原さん。
各地域に多彩な織り方があるのが特徴。例えば、那覇で織られている『首里織』には、浮き糸で模様を織りだす「花織」や、平織に経糸(たていと)だけを浮かせた「ロートン織」など7種以上の織りがあります。地域によって素材も織り方もさまざまです。

貿易を通して、技術も海外から

貿易を通して、技術も海外から

現代の染織物のルーツをたどると、中国や東アジア諸国と貿易していた琉球王国時代まで遡ります。「1479年に宮古や八重山で苧麻と呼ばれる植物の繊維から、布が織られていたという記録が残っています。 東南アジア諸国から伝わった技法や素材を使い、王族や士族の着物、庶民の普段着なども作っていたようです。なかでも沖縄で自生する芭蕉の繊維から糸を紡いで織り上げる芭蕉布は、絹などの動物繊維の布よりも風通しがよく、農夫から上級士族の衣装まで幅広く重宝されていたそうです」
また紅型は、両面型染めにより、単衣の着物の裏面にも絵柄を染め付けていました。見えない部分にもこだわりを持つ、琉球王国の人たちの美意識の高さが伺えます。
左:紅型 右:芭蕉布 沖縄県立博物館・美術館所蔵

質の高さを求められた貢納布

質の高さを求められた貢納布

王族や庶民の衣裳として発展した染織物ですが、ではなぜ、沖縄で多彩な染織物が広まったのでしょうか。 「宮古島や八重山諸島、久米島などの離島では、租税の一部として上質な布を織らせ、納めさせていたからです」と篠原さん。 王府に納めていた貢納布は、国内で使われるだけでなく贈答品や貿易品にも使われたため、質の高い仕上がりを求められたといいます。 また王府からは、注文書とともに、色や柄の細かい指定が書き込まれた「御絵図(みえず)」と呼ばれるデザイン画が送られてきたそうです。 王府が指示した複雑な柄を再現することはとても大変なことでしたが、それが技術の向上にもつながりました。
上布(反物)織:新垣幸子 沖縄県立博物館・美術館所蔵

沖縄の染織物に触れて感じる

沖縄の染織物に触れて感じる

「沖縄の染織物は非常に高い技術で作られていますが、緊張感を感じさせない美しさがあります。細やかな作業の中に、ほっとするおおらかさもあり、素晴らしい作品だと思います」と染織物の魅力について語る篠原さん。博物館の常設展示には、さまざまな染織物が展示されています。 県内各地には、染織物を扱う専門店や気軽に立ち寄れるショップ、体験が楽しめる工房や施設などがたくさんあります。沖縄の伝統に触れながら、楽しんでみてはいかがでしょうか。

掲載日:
2020.03.03

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